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吃音改善 体験談(50歳以上)(P.2) 前向き肯定的人生、他

 自分なりにどもらない方法を整理しました。

Aさん(愛媛県在住 55歳 公務員 男性)

ことばが詰まることを意識し始めたのは、小学校の高学年になった頃からで、もともとおとなしく、人見知りのする性格の影響もあったのかもしれません。ただ、6年生のとき、当時の担任の先生から話し方の矯正教室のようなものを紹介され、しばらく通ううち、その教室が合っていたのか、一時期、ある程度自信をもって人前でしゃべったり、授業で発表できるようになり喜んでおりました。
ところが、中学生になって思春期を迎える頃になると、言葉が再びつまり気味になり、人前で朗読したり、自己紹介や発表をするのが非常に苦痛になってきました。

その後、高校・大学・社会人と吃音意識を持ちつつそれなりになんとか過ごしておりましたが、50歳代半ばを迎え、人前で話をする機会がふえてきました。しかし結婚式などで大勢の前で話をすると、すごく緊張してまともに話ができなくなったり、電話で自分の名前を言うことがつまり気味となり、このままではいけないと思うようになり、大阪まで行って、吃音矯正のために話し方教室を受講したりもしました。
ただ、その講座も2日コースといった一時的なものであり、もう少し普段から継続的に受講できるものはないかと探していたところ、「さわやかカウンセリング」のHPをインターネットで見つけ申し込むことにしました。

レッスンを受け始めて7ヶ月ほどが経ちます。まだ、江田先生の言われる「安定した発語感覚」を取得したとは言えませんが、先生から様々なアドバイスを受ける中で、自分なりにどもらない方法を整理しましたので、ここで紹介させていただきます。

  1. 腹式呼吸について。
    後で振り返ってみると、緊張した状態での話し方では、肩で呼吸をしていて言葉も途切れがちになっていることに気づきます。レッスンなどでやってみて、朗読するときは、腹式呼吸は特に有効な気がします。
  2. 肩の力を抜いてリラックスすること。
    結婚式など、大勢の人の前で話をするとき、肩に力が入り、体が堅くなってよけいに緊張して話ができなくなっている状況を感じることがあります。4月から毎週スポーツクラブにも通い、もともと柔軟性に欠ける体をストレッチ体操などを行い柔らかくするよう心がけることにより、メタボ対策に役立つし、話をする上でもよい影響が出るものと思っております。
  3. ゆっくりと伸ばすような感覚で、安定した発語感覚を身につけること。
    ホームページでは、息継ぎ、伸ばす、つなげることが紹介されていますが、先生から自分で調整しながら話す感覚を身につけることが大切とアドバイスをいただいておりますので、頭で理解するだけでなく、ゆっくり話すことを心がけることから、自分にあった話し方の調整方法を身につけたいと思います。
  4. 話す機会を大切にすること。
    50歳も半ばの歳になると、大勢の人の前で話す機会が増えてきますが、話をする前に、できるだけ原稿を作成するなりして事前に準備をしておくと、少しは安心してしゃべることができると思います。  大勢の人の前で話をすることから逃げずに、普段の訓練の機会ととらえ、むしろ積極的に機会を活用したいと考えています。

終わりに、安定した発語感覚で、大勢の人の前でもあがらずに話すことはそう簡単ではありませんが、前向きに取組んでいけば何とかなるのでは思いつつ、これからもレッスンを受けつつ、積極的に話す機会をつくって行きたいと考えています。
電話も時々、意識しすぎて自分の氏名がすんなり出てこなかつたり、大勢の人の前で話すときも単に話すことに汲々(きゅうきゅう)としていてるのが現状ですが、笑顔で余裕をもって話すことを目指して、とにかくこれからも前向きに取り組んでいきたいと思っています。

※江田よりのコメント:
さわやかカウンセリングは、受講生の良き話し方の習慣作りのお手伝いをさせていただくという観点から、受講生の主体性を重視しています。
Aさんがご自分で良き話し方感覚を工夫している姿勢を応援しています。

 希望の光は見えていますので、あせらずに進みます。

Tさん(大分県在住 55歳 会社経営 男性)

私は福岡生まれの55歳です。小学校入学3ヶ月くらい前に現住所の大分市に移ってきました。小学校入学時の不安な気持ちを今でも思い出します。

ことばが引っかかるきっかけとして、小学校4、5年の社会科の授業で大分県内の地域の暗記の発表のときに、最初はうまく言っていたのが途中から突然、玖珠郡(くすぐん)という言葉が出なくなったことを記憶しています。後が言えずにその場は暗記していないということで終わりました。

どもりであるがための経験も、語り尽くせないほどあります。国語の音読の順番待ち、駅での切符買い、レストランでの注文、自己紹介、電話をかけることなど自分の名前が言えないのだからとんでもないこと・・・等々きりがありません。

中学生のときに、福岡の吃音矯正所に行った憶えがありますが、全然効果がありませんでした。それから40代のときに、東京の矯正所に4、5回行きました。改善はされませんでしたが、腹式呼吸により呼吸の重心の位置が胸から腹に下がり、体の調子が良くなりました。森田療法の本も少し読みました。

父が小さな建設会社を営んでいたので、工業高校に行きました。高校3年生のとき父が胃癌で亡くなりました。卒業してすぐに入社して働いていましたが、2、3年後倒産しました。そしてすぐに今の会社を共同経営で始めて、平成11年に社長に就任して現在に至っています。

話すことが辛くて何度も会社を辞めようと思いました。私の最大の敵は発語予期不安でした。発語予期不安がなければ上手に話せると思っていました。しかし、取り除こうとすればするほどそれは強くなります。どもらない方法はないかと、何かにつけて思っている日々でした。

「さわやかカウンセリング」のレッスンを始めての4年と半年の間でさまざまなことを学びました。
それらの中で、感情は意のままにならず、発語予期不安があっても今、自分がやらなければならないことをためらわずにやっていくことを学びました。今、自分がやらなければならないことは、適切な「息継ぎ」「伸ばす」「つなげる」を習慣化していくことと思っています。習慣化しないと、発語予期不安に負けてしまいそうです。会社の経営も話し方の改善と同様で、今やらなければならないことをためらわずにやっていくことです。

私のどもりとの長い旅は45年も続いていますが、改善の意欲がある限り続きます。希望の光は見えていますので、あせらずに進みます。大勢の人々の前でスピーチをすることを目標に励んでいきます。

※江田よりのコメント:
この仕事をさせていただいて嬉しいことは、私の吃音体験がこのような形で皆様のお役に立っていること、そして多くの方々との出会いです。体験者でなければわからない心の接点を持ちながら、実際的に話し方を高めていくことを共有できることは大きな喜びです。

 気持ちが本当に楽になりました。

Kさん(愛媛県在住 51歳 会社員・主婦)

私が吃音を意識しだしたのは、小学校の3年生位だったと思います。もともと恥ずかしがりやでおとなしく人前が苦手で、今思うとプライドが高く失敗を恐れていたように思います。
小学校での楽しい記憶はなく、親も私の吃音に気付いていたと思いますが、その内治るだろうと思っていた様です。

しかしそのような状態で中学生になり、辛さは倍増していきました。本当に情けない自分に腹が立ち、本を読んだり決まった言葉を言う以外は、何とか言い換えなどで切り抜けていました。音読した記憶はありません。最初の言葉がでないのです。学校生活が嫌いになり、楽しくないことは悲しいことです。
中学2年の夏休みに、先生の紹介で吃音の矯正教室へ行きました。そこへ行くとみんな一緒なので、安心して音読もできました。そういう状態なので進学したい高校も諦め、仕事をしながら定時制に通う事にしました。

実際に仕事をしてみると、学校よりも仕事をすることが、吃音を意識する者にとってどんなに大変か思い知らされました。学校は逃げることができても仕事からは逃げれません。逃げることは辞める事を覚悟しないといけないと言うものの、やっぱりダメだと辞めた事もありました。なるべく話さなくていい別の仕事を選んで、一生懸命働きました。

職場では吃音で自分に出来ない事がある分、出来ることは真面目にやらねばという気持ちでした。
店舗での商品を出す仕事をして6年位経った頃、レジへはどうかと言う話が出ました。当然私は断りました。とんでもない、できない・・・何回か断ったのですがあまりにも熱心に勧められるので、自分の吃音の事を話しました。店内放送は出来ないけど良いかどうかと聞きました。内心、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」も言えるかどうか不安でした。

良い事、嫌な事いろいろありながら、このまま過ごしていくのだろうと思っていたら、何と今度は事務所に変わる事になったのです。これはどうにも出来ません、辞めようと思い、覚悟もしました。退職願も書きました。一番苦手な電話応対は避けられません。10日間は日常生活も差し支える位悩んで死んでいる状態でした。

そんな中、2日間あった休みの日に考えました。「そうだよね、辞めてもいい。辞めてもいいけど、あとで絶対後悔だけはしない様に自分で出来る事は何でもやろう。」

何かないかと「吃音克服法」で検索しました。いろいろ見ましたが、「さわやかカウンセリング」のHPの皆さんの体験談を読んで共感しました。私の言いたかった事、聞いてほしい事、今まで周りの人には理解してもらえないと思うことが全部載っている・・・私もカウンセリングを受けようと思いました。

電話でのレッスン初日はドキドキして腹式呼吸もうまく出来ず、緊張しましたが、今まで吃音の事で誰かと話をするチャンスが全くなかった私にとって、先生からいろいろ説明を伺えて何だか少しほっとしました。音読したことがほとんどない私がレッスンで音読をして、録音された自分の声を聴いた時は嬉しかったです。

今の私にはゆっくりペースで話す事がいちばん必要で良い方法だと思っています。身につけることは簡単ではありませんが、実践あるのみです。
今まで、職場の電話の音にビクッとした私ですが、最近はゆっくり言おうと思いながら出ています。気持ちが本当に楽になりました。周りの人を見るとてきぱきと出来ていいなと思うことがありますが、みんなそれなりに悩みがあるのだと思います。

話すことに多少は失敗してもそれを良しとして、そんな自分を認めていきたいです。何だか吃音に神経質になって一番厳しかったのは自分自身であったのかも知れないと思うこの頃です。

※江田よりのコメント:
長年勤めてきた職場で、事務職に配置転換することになり辞表まで用意したKさんですが、今は試練を宝に変えて仕事に励んでおられます。
「何だか吃音に神経質になって一番厳しかったのは自分自身であったのかも知れない」と思う今のKさんの心境は、自分の吃音を客観的に捉えられるようになってきたことの表れだと思います。