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電話でどもる|吃音レッスン体験談(26歳~29歳)(P.8) 楽になった電話応対業務、他

(電話応対が楽に レッスン体験①)
  

 電話応対業務を楽しく続けられています。

Mさん(東京都在住 26歳 会社員 男性)

私はサポートセンターの電話応対業務をしています。電話応対業務を始めた理由は、話す時にどもったり言葉が出なくなったりするコンプレックスを、話す仕事に就けば改善できるのではないかと思ったからです。

仕事を始めた当初はやはり言葉が出なかったり、「お電話ありがとうございます」すら言えなかったりで大変でしたが、馴れていくうちに次第に引っかかりも薄れて、改善したのではないかと思いました。

しかし、いつしかまた引っかかり感覚が復活して、「お電話ありがとうございます」が言えない状態に戻ってしまいました。

自分で調べていくうちに「吃音」という存在に気付き、本を買って自分なりに試してみたりしましたが、余計に吃音意識が強くなってしまい、引っかかりは悪化していく一方でした。仕事もままならない状態になり、もう辞めようかとも思い、上司に相談しました。

私の事情を聞いてくれた上司がインターネットで、「さわやかカウンセリング」を見つけてくれて、これを受けてみてはどうかと勧めてくれました。

正直迷いましたが、今までの人生で吃音に散々悩まされて来た事、今の仕事を辞めたとしても状況が良くなる訳ではない事などを考え、改善の可能性のある事は試してみる価値はあると思い、レッスンを申し込みました。

電話でのカウンセリングでは、先生が自分の中の引っかかり感覚を見事に捉えてくれて、その感覚を上手く調整する事を学びました。そして続けていくうちに、仕事中言葉が出なくなる事は段々と少なくなりました。電話応対中に引っかかり感覚をコントロール出来て来たのだと思います。

仕事を辞めようと思ってから半年経ちましたが、今では引っかかり感覚をコントロールして電話応対業務を楽しく続けられています。言いたい言葉が言えない、言葉が引っかかって言えない、という感覚に一生悩み続けるのだろうと思っていましたが、このレッスンを受ける事によって一気に心が晴れました。

インターネットで「さわやかカウンセリング」を見つけてくれた上司、そしてレッスンの江田先生には大変感謝をしています。

※江田よりのコメント:
Mさんは電話応対業務をしているだけあって、その話し方はとても滑らかです。けれどご自分の内面では引っかかり感覚があって今まで苦労してこられました。
吃音意識を否定することなく客観的に捉え、自分なりの安定発語感覚を意識して育てていくことが、話すことの自信を深めていく王道だと思います。



(電話応対が楽に レッスン体験②)
  

 少しずつ前向きに考えられるようになりました。

Oさん(栃木県在住 26歳 会社員 男性)

  

皆さんの体験談で勇気づけられたことと、先生が自分のためにもなると勧めてくれたので少し私自身のことを書きたいと思います。

私が吃音になったのは小学校の低学年の頃だったと思います。それ以来15年以上ずっと苦しんできました。学生時代は本読みや朝礼に言葉がつまり、同級生はもちろん先生にまで笑われそれは地獄のような日々でした。友達の家には電話もかけられず、駅に行けば切符も買えない。なんで自分だけこんな苦しい思いをしなければいけないんだ、自分なんて生まれてこなければよかった・・・そんなふうに思ったこともありました。

そんな日々をなんとか耐えながら高校を卒業し、あまり人と会話をしない工場に就職しました。工場内は機械音がうるさいので人との会話はゼロ。自分にとってはもってこいの職場でした。

しかし今年の初めに人事異動があり、現場から工場全体の保守に回されました。今までの鉄を削って加工していればよい環境から180度変わり、機械が故障したら修理会社に電話をしたり、夜中でも何かあったら呼ばれ会議室で打ち合せや報告をする。言葉が毎日乱れ飛び、学生時代から吃音に苦しんでる私にとって、それは言葉では言えないぐらい地獄以上の辛い毎日でした。

打ち合わせや電話連絡はごまかしながらなんとかやってきましたが、2ヵ月に1回ある消防署への通報訓練は、素早く明快に話さなければならず、しかも無線なので近隣の会社にも通報は聞こえるのでこの重圧は計り知れなく、仕事を辞めようと思っていました。

その時たまたまネットで見つけたのが「さわやかカウンセリング」でした。他にも色々と吃音についてのサイトがありましたが、一番目にとまったのがこの「さわやかカウンセリング」の内容でした。皆さんの体験談を読み、吃音で苦しんでいるのは自分だけではないのだと励まされました。

レッスンを始めて3ヵ月になります。場面によってはまだまだ言葉が出にくいこともありますが、前のようにマイナスにならず前向きに考えられるようになりました。

私は「だ」「で」「ど」などの濁音の発語が苦手ですが、日常の会話で柔らかな発語を心がけていきたいと思っています。

※江田よりのコメント:
消防署への通報訓練はOさんにとって大きなチャレンジです。マイクを手に取る。上司が横に立っている。自分の無線の声は館内のみならず近隣の会社にも放送される・・・。
レッスンではこの通報訓練を演習しています。現場の実践につなげてください。



(電話応対が楽に レッスン体験③)

 話す世界が広がった気がします。

Eさん(東京都在住 28歳 会社員 男性)

私が言葉が詰まったことではっきり覚えているのは高校生の時のことです。塾の先生に早く答えなさい!とよく怒られ、早く上手に答えなければと焦ったり、間違えたらどうしようといつも緊張しているうちにどもるようになりました。その時は塾を辞めたところ、しばらくすると治りました。

再び自覚症状が出たのは大学4年生の就職活動の時です。面接では自己紹介、自己PR等を発言する機会が沢山あります。緊張すると上手く話せず、自分の名前や考えがすらすら言えず、悩みました。なんとかごまかしながら言い換えたりして話をし、無事就職できました。

そして働き始め、転職し営業事務の仕事を始めると、会社の人に囲まれながら電話応対が多くなりました。周りに聞かれていると思うと、周りや相手の事を意識してしまい、またどもるようになり、うまく話せなくなりました。

今までどもる事はありましたが、深くは気にはしませんでした。しかし職場の人間関係等のストレスからどもりがひどくなりました。普通に話す事が何故出来ないのだろうと劣等感に駆られたり、自分はずっとこのままなのだろうかと不安でした。出社して電話に出るのが辛くて会社に行く事がストレスとなり、新しい人との集まりでも自己紹介の度にストレスを感じ、極力参加しないようになりました。

そんな自分が嫌でなんとかしたいと思い、思い切って家族に悩みを打ち明けました。元々悩みは自分で抱え込む性格で、自分の事を話さない私にとっては勇気のいる事でした。

悩んでいる私を助けようと家族がネット等で調べて見つけてくれたのが「さわやかカウンセリング」でした。HPを見て、「治すのではなくて話し方を身につけ、吃音とうまくつきあっていく」というとらえ方に共感し、電話でのレッスンを始めました。

最初の頃のレッスンはひどいものでした。自分の名前が言えずに固まってしまい、詰まって詰まって胸が苦しくなりました。他の人は何気なく普通に話せるのに何故自分は普通に話す事が出来ないんだろう。自分もスラスラ話せたらどんなに楽だろう、どんなに世界が広がるだろうと思いました。

早く普通に話せるようになりたいという焦りと、話せるようになるんだろうかという不安、なぜ普通に話す事が出来ないんだろうと劣等感に悩まされました。レッスンが終わってから上手く話せない自分に苛立ち、泣いた事もあります。早くどもりの悩みから離れたいと焦るばかりでした。

先生からは「治そうとか上手に話さなければと考えるのではなく、今の自分のままでいいのです。治そうとするのではなく、楽に話せる感覚を養って下さい」と何度も言われました。

家族にも協力してもらい、いろんな話し方を試すようになりました。話そうとすると、口、舌、お腹、心と身体のあらゆる場所に力みが入っている事もわかり、どのようにすれば楽に話せるのかと前向きに考えるようになりました。

今までは吃音を隠そう隠そうとしてきましたが、どもりのことを家族に打ち明け一緒に頑張り出した事で、今の自分でもいいのだと自分を受け入れる事が出来るようになり、どもりである事を親しい人に打ち明けられるようにもなりました。

レッスンを始めて2ヶ月が経過した頃から少しずつやわらかく話が出来るようになってきました。色々試しながら会社の電話にも出るようになりました。もちろん上手くいかず落ち込む時もあります。ダメな時は家族に電話したりしてリラックスして、また頑張ろう!と切り替えました。

今までは失敗したらどうしようと後ろ向きで自分を隠そうとしていましたが、前を向き自分を出せるようになってきました。

レッスンを始めて半年が経った今でも話す事に不安はあります。しかし、不安と焦りから自信無く下を向いていた頃の自分とはだいぶ違うという実感はあります。今でも時々調子が悪く、言葉に詰まる事がありますが、そんな時はレッスンの時はどうしていたか、どうすればやわらかく話せるだろうか、どうやったら力みなく話せるだろうかと前向きに考えられるようになりました。

また、今までは普通に話せない自分を恨んだり、隠そうとしていましたが、カウンセリングを始めてそんな自分を受け入れる事が出来るようになり世界が広がった気がします。

※江田よりのコメント:
Eさんとの初期のレッスンでは、舌のみならず、体全体がガチガチに硬直した発語で、私まで体がこわばる感じがした程です。
レッスンでのテキストにそった発語はとても柔らかくなっています。毎日5分の緩やかペースの音読の習慣も良い影響を出していると思います。今の自分を肯定しつつ、これからも自然な発語感覚を育ててください。

(電話応対が楽に レッスン体験④)

 夫には「何だか性格がポジティブになったんじゃない?」と不思議がられています。


Tさん(山形県在住 29歳 主婦・図書館勤務)

吃音とは、幼少期以来の長い付き合いです。朗読や電話などでまったく声が出なくなってしまうこともあれば、発語不安がやわらいで、吃音のことを忘れている時期もありました。

思っていることを声に出せない心のすき間を埋めるように、文章を書くことが習慣になり、書く力を生かして記者の仕事に就きました。結婚を機に退職した後も、小説を書いて、小さな文学賞をいただきました。こうして書いてみると、吃音も悪いことばかりではないという気がしてきます。ものごとには、光と闇のふたつの面があるのかもしれません。

結婚から2年あまり、家事に専念してきましたが、新しい土地に慣れたこともあり、また外に出て働きたいと考えるようになりました。幸い図書館での職を得ましたが、長いあいだ家族や友人以外の人と関わることの少ない日々を過ごしていたので、発語不安が強くなっており、自己紹介や電話応対などに大きなストレスを感じました。

「さわやかカウンセリング」のホームページは、以前から「緊張しそうなときに読むと心が落ち着くなあ~」と思っていました。これをきっかけに、今までだましだまし付き合ってきた吃音と正面から向き合いたいと考え、カウンセリングの申し込みをしました。

カウンセリングを始めるとき、江田先生から「どうしたらどもらないか、という考えは横に置いてください」と言われ、少し驚きました。どうしたらどもらずにその場を切り抜けられるか・・・今までそのことばかり考えてきたからです。

レッスンが始まり、「どもる」「どもらない」の二種類で話し方を評価していた自分に気づきました。どもるどもらないにかかわらず、相手に伝わる、聞きやすい話し方があると知ったことは、わたしにとって大きな考え方の変化でした。

レッスンをはじめて2ヶ月あまり、職場で、子どもたちとお母さんを前に絵本の読み聞かせをする機会がありました。先生にいただいた「明るい表情で」「口を大きく動かして」「ジェスチャーを大きく」というアドバイスをお守りに、鏡にむかって毎日練習をして臨み、楽しんで読み通すことができました。

職場で電話を受けたり、人前で話をするときも、言葉の出にくさや不安を感じることはありますが、いったん外から自分を見つめて、「ああ、今どもっているなあ。のばす発音をためしてみよう」などと少しずつ落ち着いて対処することができるようになっています。

以前の私は、自分が吃音者であるという事実を受け入れることができず、「こんなはずじゃない」「こんなのは本当の自分じゃない」と自分を責めつづけていたのだと思います。けれど、江田先生とのレッスンを通して、ときどき言葉が出にくくなる自分を「まあ、こんなものかな」と肩の力を抜いて認められるようになった気がします。

電話をかけたり、町で人に道をたずねるのも、いつの間にか前ほど苦ではなくなりました。夫には「何だか性格がポジティブになったんじゃない?」と不思議がられています。
長いあいだの習慣で、人前で話す機会を無意識に避けようとする自分のお尻をたたきつつ、これからも、より安定した話し方を身につけるため、レッスンと日々の実践をつづけていきたいと思っています。

※江田よりのコメント:
相手に合わせて気持ちよくわかりやすく話すことが良き話し手の極意かと思います。日常、静かに話すTさんが子供とお母さんの前で絵本を読み聞かせるときは、感情豊かに話すことを意識して話したり、図書館の受付では来館者に静かに説明したり・・・その場その場で話し方を変えていくことが求められます。
さまざまなお話し場面で話し方の自信をつけてください。



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