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電話でどもってしまう|改善 体験(30歳~39歳)(P.5) 電話の怖れが軽く、他

携帯電話での通話と、事務所での電話応対での心理は大きく異なります。携帯電話では相手が誰かが呼び出しの時に判る、個人的に知っている場合が多いことなど、周囲に気兼ねなく気楽に話せます。しかし会社での電話応対は会社を代表する正しい話し方が要求されている、周囲に人がいて自分の話す声が事務所に響く、聞かれている・・・などの緊張感が生じます。どもってしまうことが繰り返されますと恐怖心が深まります。

日常会話で安定した発語感覚の素地を養うことが改善の道です。


「精神的に安定して、以前の電話でどもる恐怖心が軽くなっています。」
Tさん(熊本県在住 団体職員 32歳 男性)
「かなり楽な気持で電話に出ることができるようになっています。」
Hさん(兵庫県在住 36歳 団体職員 男性)
「お客様に聞きやすい電話応対、説明を心がけています。」
Hさん(千葉県在住 34歳 会社員 男性)


 精神的に安定して、以前の電話でどもる恐怖心が軽くなっています。

Tさん(熊本県在住 団体職員 32歳 男性)

私は32歳の団体職員です。7歳ぐらいからどもり始め、小学校5年生のときに、授業で先生から当てられて立ち上がりましたが、答えはわかっていても、その最初の言葉が出ず、「言葉が出ません」(これはなぜか言えました)と言ってそのまま座り込み、ずっと泣いていたことを今でも覚えています。

中学、高校、大学時代は、授業中は答えがわかっていても手を挙げずに、発表や朗読を極力避けるようにしたり(それでも当てられたときは、仕方がないのでどもりながら発表や朗読をしましたが)、友達と話すときも、どもりそうな時はあえてその言葉を言わない、もしくは別の言葉を捜して言い換える、言い換えができない場合(人の名前など)は、しばらく間を空けて、言葉が出そうになるまで待ってから話すなど、ごまかしながら話していました。

大学生までは、そんな感じでも何とか過ごすことができました。仕事と違い、どもりそうな時には無理にしゃべらなくても(黙っていても)いい場面も多かったからでしょうか・・・。

そんな状態でしたが、今の職場の面接のときには、不思議とどもりませんでした。大きな声で堂々と話し、ある意味、自分を演じていたからかもしれません。意外と落ち着いていたような気もします。それに、何時間も話すわけではないので、そのときは幸いどもりが出なかったのでしょう。

さて、実際に就職してから一番困ったのは、電話応対でした。新人が一番最初に電話を取るのですが、まず、最初の「はい」がスムーズに出ません。どもってしまって「は、は、は、はい」といった感じです。その後に言う職場名や自分の名前も同じような感じでよくどもっていました。先輩から笑われたりもしました。

一度、私があまりにもひどいどもり方で電話を受けたとき、電話の相手から大きな声でしばらく笑われ、「大丈夫ですかぁ、あーはっはっは・・・」と、ものすごくバカにした声で言われ、またしばらく電話口で笑われました。職場内はいつもシーンとしています。電話の受話器からの相手の大きな笑い声が、周りにも聞こえたことでしょう。

また、受けた電話を上司や先輩に回すのが一苦労でした。私の職場では、電話を回すときは、一旦電話を保留にし、その場で大きな声で回す人の名前を呼んで電話を回すのですが、私の場合、「○○さん」の最初の言葉が出ないのです。しばらく間を空けた後にやっと声が出た時はまだいいのですが、それでも声が出ない時は、仕方がないので、その上司や先輩のところまで歩いていって、全身に力を入れて声を絞り出すようにして、やっと小さな声を出して電話を回していました。

こんな状態でしたので、上司への報告や普段の会話の中でもよくどもっていました。特に上司への報告の際に第一声が出ず、そのまましばらく沈黙が続くようなことがしばしばあり、本当に困りました。

電話応対については、当然いろいろと注意を受けていましたので、家に帰ってからも自分で電話応対の練習をしていました。携帯電話のアラームをセットし、アラームがなったら電話を取って「はい、○○です」と言う練習を何回も繰り返しました。

また、夜、職場の全員が帰った頃を見計らって職場に行き、一人で発声練習や電話応対の練習をしたりもしていました。それでも、日頃の職場での電話応対は相変わらずどもっていました。この頃は、職場にいない時間や休日も含めて、毎日がとてもつらかったのを覚えています。

何とかしたいと思い、個人レッスン形式の話し方教室に通ったこともありました。週1回1時間の12回コースで15万円という高額な授業料でしたが、とにかくどもりを治したい一心で、授業料を払って通いました。発声練習から始まって、私がどもりやすい言葉を入れた短い文章をたくさん作り、それを繰り返し読んだり、職場での電話応対の模擬演習をやったりしました。1時間のレッスンはすべて録音し、それを家で聞くことも勧められました。

冷静に振り返ってみると、レッスン内容自体は決して悪いものではなかったような気がしますが、吃音は治りませんでした。12回コースを2回受けた後、通うのをやめました。

就職して2年目の終わり頃に、ついに耐えられなくなり、職場をやめる旨を申し出たこともありましたが、上役による話し合いの結果、幸いにも引き止められ、私だけ電話を取る回数を減らす特別措置を講じてもらい、何とか仕事を続けさせていただきました。

その後、上司の勧めもあって、心療内科を受診しました。診断の結果、社会不安障害ということで、定期的に通院し、薬を飲んで治療しながら仕事を続けました。しばらく治療を続けていくうちに、精神状態はかなり安定してきました。心療内科でどもりは治りませんでしたが、不安症状は前より軽くなっていたように思います。

その頃は、家に帰ってからの電話応対の練習などは一切していませんでした。その後は、自分から申し出て、電話を取る回数を減らす特別措置を外していただき、出張や会議で報告する機会も増え、一時期は600人ぐらいの観衆の前で話すこともできるようになっていました(5分程度ですが)。その頃は、常にできるだけ気を強く持とうとしていたように思います。

しばらくはそのような感じで進み、昨年の終わり頃からは、心療内科に定期受診した際に「社会不安障害は治っています」とのことで薬の処方もなくなり、順調によい方向に進んでいると思っていました。

ところが・・・

今年の2月頃から、出張先や会議での報告、電話応対や電話を他の人に回すなどの際に、例えば「す○○さん」と言うときに、「す~」と歯の隙間から息を抜くような感じが5~6秒続いた後にやっと言葉が出るなど(以前からこのような症状はありましたが、程度は軽くなっていました)、再びどもりがひどくなってきました。

なぜそうなったのかは未だに分かりません。それからは、吃音の予期不安がどんどん強くなり、すっかり自信を失ってしまいました。職場での電話応対や上司への報告などの際にも、常に恐怖を感じながら過ごす毎日になりました(以前に近い状態になりました)。

心療内科に定期受診した際にその状況を話し、再び薬を飲むことになりました。そのときに「もし仮に、しばらくして今の恐怖心が和らいだとしても、好不調の波はあるので、結局は将来ずっと同じことの繰り返しになるのではないか」と思いました。そう考えた時に、これから先の将来のためにも、吃音の恐怖を感じる状態の中でも“どもらない話し方”を身に付けることができないか、と強く思い、いろいろ調べた結果、インターネットで「さわやかカウンセリング」のホームページを見つけ、思い切って受講することにしました。

吃音の捉え方としてレッスンで私なりに学んだことは、主に、①吃音を否定せず、そのまま受け止める、②吃音を治す特効薬はない、③安定した言葉の出し方、話し方に慣れる、ということです。

それまでの私は、とにかくどもる自分が嫌でした。いつも「どもらないようにしよう」ということに強く意識を向けていたように思います。今思うと、どもりたくないという意識があることを別に否定する必要はないと思いますが、強く思えば思うほど、かえってどもりやすくなるのではないかと思います。

私はもちろん今でもどもりますが、その後の受け止め方が変わってきました。どもった自分が恥ずかしくて嫌になって落ち込むのではなく、正直そういう気持ちは完全には消えませんが、「まあ、しょうがない」と開き直るというか、「ああ、今、自分、どもったね」というように、事実として受け止めるだけというか、そういうふうに受け止め方が変わってきました。精神的にすごく楽になりました。恐怖心の度合い(大きさ)が小さくなったように思います。

また、電話レッスンを受講する前の私は、「とにかく一日でも早く吃音を治したい。そういう方法があれば実践したい。」という思いがものすごく強かったですが、受講して、江田さんから自らの経験を交えたお話を伺っていくうちに、「吃音をすぐに治す方法はない」ということを自然と納得しました。もっとも、江田さん曰く「どもりは『治す』というものではない」ということは、今では私も重々承知していますが・・・。

それから、「どもりをどうにかする」というよりは、「自分なりの安定感のある言葉の出し方や話し方に慣れていく(体で覚えていく)」ということを教えていただきました。

今、私は江田さんからの勧めで毎日5分の音読をしています。松下幸之助さんの本で、前向きな気持ちになる内容の本です。最初は普段の会話の中で何も変化は感じませんでしたが、自分のペースでゆったりと読む音読の言葉を出す感覚が、最近、普段の会話の中で、自然に出てくることがあります。自分では言いにくいと感じている言葉でも、声を出す『間』や『スピード』などが音読のときの感覚と重なって、自然な感じで出てくることがあります。最近は、身体の疲れもあって、よく肩の力を抜くようにしていますが、身体が力んでいないときに、音読のときの感覚で声が出ることが多いような気がします。

今は、吃音の症状は、レッスン受講前と比べて徐々にですが確実に軽くなってきていると思います。精神的に安定してきている(体が力んでいない)ことも、症状が改善されている一因だと思います。

今後も毎日5分の音読と電話レッスンを続けながら、自分にとって話しやすい、声の出しやすい感覚を少しずつ体で覚えていき、仕事や家庭での会話の中でも自然に流れ出るような、そういう感じを目指していきたいと思います。

※ ひ と こ と :
職場で話すことの緊張を絶えず強いられ、大変ご苦労を重ねてこられました。夜、誰もいない職場に戻って電話応対の練習をなさったとは・・・本当に涙ぐましい努力です。
吃音だから社会不安障害と診断されるのか、社会不安障害だから吃音が深まってしまうのか・・・定かではありませんが、自分で安定した発語感覚のベースをもっていれば浮き沈みは少なくなることでしょう。



 かなり楽な気持で電話に出ることができるようになっています。

Hさん(兵庫県在住 36歳 団体職員 男性)

私は幼い頃から連発性の吃音を持っていました。高校に入学するまでは多少の発語予期不安はあったものの、普通の人と変わらない会話をしていました。全く言葉が出ないといったことはなく、たまにタイミングがずれたりして焦ると連発性の吃音が少し出る程度でした。人前での発表も自ら進んですることもありました。

しかし、高校1年の秋頃にふと『授業で当てられて、もしどもったらどうしよう』と今まであまり考えなかった発語不安を気にするようになってから、意識が深くなっていきました。それからは、自己紹介、電話をかけたり受けたりすること、人前での発表など、かなり苦手意識を抱えることとなりました。貴重な青春時代を自分の意思に反して、内向的な生活を送ることを余儀なくされました。

その後、何もしなかった訳ではなく、色々な対策を考えたり試したりしました。しかしほとんど効果はなく、短期間多少マシになったかなと思える程度で、さしたる成果は出ませんでした。

十数万円する吃音矯正器材を購入したり、催眠療法に通ってみたりもしましたが、どれも効果はなく、自分の中では吃音が治ることなどあり得ないと考えるようになりました。色々な本も読みましたがどれも自分の経験から照らし合わせると、効果が期待できないようなものばかりで、半ば諦めかけていました。

ところがある日、YouTube で吃音に関係する動画を何気なく検索したところ、江田先生が動画で吃音の説明(当講座の案内)をされていました。その内容は吃音克服に対する的確な意見であり、自分が長年探していた答えでもありました。

元来慎重な性格の私は、すぐには受講せずじっくりと「さわやかカウンセリング」のホームページや動画を見て受講するかどうか考え、熟考の末、受講を決めました。

レッスンを始めて最初の2~3ヶ月は成果らしいものは出ませんでしたが、ある時、仕事上の苦手な電話でスムーズに喋れた事がありました。今まであれ程苦労した電話を少し克服できたことはかなり大きく自信につながり、その後の電話はかなり楽な気持ちで取れるようになりました。

この自信はたまたま喋れたということで持てたのではなく、日常生活において安定した発語感覚を意識した会話の積み重ねによるものだと理解していたので、根拠のある自信となりました。

現在も発語不安は出てきますが、それより新しい発語感覚を身に付けることを主眼にして、吃音が出ても『長年のクセだから受け止めていこう』と割り切ることが大切だと考えています。

このカウンセリングで分かったことは、吃音を直そうとムキになってはいけないという事でした。今まで『どうしたらことばが出るのか?』や『吃音の事を忘れよう!』など、吃音のパーツを取り除くことに躍起になっていました。しかし。この行為(考え方)は吃音をより鮮明に自分の意識に刻み込んでしまう作業に他ならず、逆に吃音意識を酷(ひど)くすることだということが分かりました。

現在の私は受講開始から約5ヶ月程度経過しています。新しい発語感覚を身につける事、吃音意識にとらわれない事をメインに日常生活を送っています。その成果が出ているのか、以前に比べて自分の内面で安定した発語感覚が育っているのが分かります。

これからも安定した発語感覚を作りあげていきたいと思います。

※ ひ と こ と :
「50歳まで続けた癖(くせ)は、墓場まで持っていく」といわれています。しかしこれを裏返せば、「50歳まで培(つちか)った良い習慣は、終生維持できる」ということになります。
ことばの引っかかり感覚を無理に取り除こうとするのではなく、あくまで安定した発語感覚を育てていく習慣づくりが改善の正しいステップだと思います。



 お客様に聞きやすい電話応対、説明を心がけています。

Hさん(千葉県在住 34歳 会社員 男性)

私は、お客様からの問い合わせ、説明など、電話での応対の仕事を主にしています。しかし、今のこの部署に就いてからしばらくすると、電話に出たときに自分の名前がどもってしまいうまく言えなくなったり、早口になってしまい、まともに発音ができなくなってしまいました。

当然ながら、その事で上司から指摘を受けることが度々あり、指摘を受ければ受けるほど、話し方が悪くなる一方に感じられました。仕事での電話応対の成績も悪くなる一方で全く落ち込んでしまい、行き詰ってしまいました。

そこでどうしたらよいか、インターネットで調べていたところ、吃音(きつおん)というキーワードに辿り着き、自分に思い当たる節があったので、更にいろいろと調べているうちに、さわやかカウンセリングのホームページに辿り着きました。

自分の電話応対でのことばが詰まる問題は、応対時の緊張によるものだと今まで思い込んでいましたが、そうではなく、吃音意識が入り込んでうまく言えなくなることだと判りました。さらに、吃音意識があること自体は異常ではないということが良い意味で衝撃的に思えました。

今まで、うまく話せない自分に劣等感を感じ、つかえないように話すにはどうしたらよいかばかり考えていましたが、安定した発語感覚を身につけることが大事だという捉え方は、私には全く頭になかったもので、気がついたらとりつかれたようにホームページに読み入っていました。

そこでまず自分なりに、ホームページに書かれていた先生のアドバイスのいくつかを仕事で試したら、一時的にではありますが、話すのがすごく楽に感じられました。その時の感覚は自分でも驚くぐらいの変化で今でも覚えています。

しかし自分だけでやっていくことに限界を感じたので、レッスンを受けることにしました。

レッスンを始めてからまだひと月あまりでしかありませんが、以前は、仕事で時に話すこと自体が苦しく感じられ、調子の悪いときはもう一言も喉から出ないのではないかというくらい、話し方が不安定でたどたどしくなることが多かったのですが、その苦しさが徐々に軽減されているのをまず実感できています。

また自分の名前を名乗ることについても、自分なりにまともに言えるようになってきて、以前はお客さんから名前を聞き返されることが多く、例えば、本当はAという名前なのに「Bさんですか?」とか間違って伝わっていることが多かったのですが、最近になって、自分の名前が正しく伝わっていることを確認できることが増えて、うれしさを覚えます。

現在は、全体的に話し方が安定してきて、特に長い決まり文句の文章などは、レッスンで徐々につかみかけた伸ばし感覚を使っていると、よどみなく話せるようになり、改善されていると思います。しかしまだ、「ありがとうございます」など苦手意識の強い特定のフレーズで突っかかったり、つい早口になってしまうことがあります。

自分の内面の安定した発語感覚をもっと育て、お客さんに聞き取りやすい自然な応対ができるようにこれからも励んでいきたいと思います。

※ ひ と こ と :
Hさんは話すことを専門とする業務に携わっています。プロ意識をもって話す仕事だけに、電話応対のしかたのチェックが厳しく入り、それにより詰まる意識が助長されてしまいました。とてもきれいな話し方ですので、一般の人はHさんの内面の焦りなど、全くわからないと思います。
自分の日常の話し方を客観視し安定した発語感覚を育んで、プレッシャーに耐えられる自信をつけていただきたいです。



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