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吃音改善体験談(30~39歳)(P.3) 早口の改善、他

 今では確実に改善されています。

Oさん(東京都在住 32歳 会社員 男性)

私は会社で電話をする際、入社当初から社名が言い難いという感じがありました。それがだんだん言い難い意識が強くなり、半年ぐらい前から社名を言えない状態になってしまいました。具体的には、電話をかけても社名が言えず、「えーと、えーと」を繰り返したり、挙句にパニックになり、社名を言わず自分の名前から言いだしたりしていました。

私の症状は電話で一言目に社名を言うときに限られていて、会話の途中で社名を言ったり、一言目が自分の名前であったりすれば問題なく言うことができました。
それからは自分では電話を取らないようにし、こちらからの連絡はメールにすることで逃げていました。しかし、どうしても避けられない場合もあり、そのたびに言えるかどうか不安になり、心臓が高鳴り、頭が真っ白になりました。

  

自分ひとりで電話をかけたり受けたりする練習をしてみたりもしたのですが、状況は変わりませんでした。適当な場所に間違い電話を装って実際に電話をかけみたりもしました。これは少し効果がありましたが、継続的に行うと周囲に迷惑をかけることになりますし、根本的に解決することはできないと思いました。

そこで、インターネットであちこち調べたところ、「さわやかカウンセリング」にたどり着きました。私は自分の症状が特殊だと思っていましたが、さわやかカウンセリングでは電話での発語不安についても言及されており、実際にそのような方のカウンセリングも多く行っていると知り、トライアル・レッスンに申し込んでみました。

さわやかカウンセリングのレッスンでは、特別なことをするわけではないと思います。江田先生の指導の元、吃音になり難い安定した自然な発語感覚を意識しながら、繰り返し発語することを続けます。私は電話で一言目に会社名を言うとき以外は、吃音意識はなかったので、当初はこのレッスンに多少疑問を持っていましたが、今では改善され社名も言えるようになりました。しかしまだ、電話での発語不安はあり、苦手意識も強くあります。レッスンを続けることで安定した発語感覚を自分のものにしていきたいと思っています。

※江田よりのコメント:
Oさんのように会社名だけが言えない、しかも出だしの時のみ言えないという場合、レッスンで会社名をひたすら繰り返して練習しても、意味がありません。吃音意識が根底にありますから、やはり話し方全体での安定した発語感覚の幅を広げていくこと、安定した発語イメージを育てていくことが大切だと思います。




 話す事を楽しんでいこうと思います。

Kさん(広島県在住 32歳 主婦・会社員)

私は中学の時から話す時ひっかかりを感じ、長年悩んでいました。力を込めて無理な発語になったり、高校時代は特に授業中当てられないようにと祈る気持ちばかりでした。今思えば授業に集中できていなかったと思います。

社会人になってからは一日中苦しい気持ちでした。朝はまず、社内の人達にあいさつをしなければなりません。その社会人としての基本的なあいさつがどもってしまうので、他人の目がすごく気になっていました。

今まで色々と職場を変えてきましたが、どもるので仕事に集中できなかったり、うそをついて休んだりしたこともありました。吃音から逃げていたのだと思います。だけど吃音であることは相当に苦しく、何でこんな人生なんだと思っていました。吃音じゃなければ別の人生があったかもしれないのにと・・・。

ある時インターネットで調べたら、電話でのレッスンがあることを知り、受講しました。レッスンは30分程度で、うまく言えないフレーズなどをゆっくり発語していく練習でした。それによりだいぶん発語が楽になり、吃音であることを受けとめていけるようになりました。
それはそれで良かったのですが、レッスンではうまく言えても実生活の仕事の場面で、電話応対の時など、発語不安のあることばを意識しすぎてか、うまく言えませんでした。

接客業の仕事を始めてから、もっとスムーズに話せるようになりたいと思い、ほかにも電話でのレッスンがないか探したところ、「さわやかカウンセリング」のサイトを知りました。

電話でのレッスンは70分でボリュームがありたくさん話すので、レッスンが終ったあとは「私って普通に話せるんだ!」と自信がつきます。レッスンで使うテキストに「心のおしゃれの三ヵ条」という文章がありますが、それを読んだりするのも気に入っています。
毎回レッスンの時に先生は、「どもる感覚は体が覚えてしまっているのだからそれはそれとして受け止めて、どもることに捉(とら)われず自分の良いと思う発語感覚を使って育てていけばいいのです。」とおっしゃいます。毎回のレッスンで繰り返し言われることで心に納得していきました。良いと思う発語感覚を自分なりにつかんでいくこと。吃音はひとりひとり症状が違うと思うので、やはり自分で自分なりに習得していくものだと思います。

レッスンを受講している間も転職したり、子供の行事ごとで役員になり人前で話すことになったり、この半年あまりで様々な変化がありましたが、吃音から逃げないことを心に決めてきました。逃げていたらこれからの人生でも同じ事の繰り返しだと思っています。
行事ごとがある前は不安になったりしますが、先生の 「レッスンしてるんだし大丈夫ですよ」というお言葉に、「そうか吃音について何もわからずただ苦しんでいた昔の私とは違うんだ」という気持ちが湧いてきます。

丁度今日、行事ごとがあり人前で話さなければならなかったのですが、満足のいく話し方で楽しく過ごせました。私もしっかり話せるんだ!と思いました。このような人前で話す成功体験を増やしていきたいです。

これからも日常生活でよいお話し感覚をつかんでいき、話す事を楽しんでいこうと思います。

※江田よりのコメント:
レッスンを始めて7ヶ月。その間、Tさんは新しい職場に就き、PTA,地域の行事の役員を勤め、多く話すことが要求される環境になりました。
これをチャンスと捉え、これからも人前で話す成功体験を重ねていけることと信じています。




 良いときと悪いときの振れ幅が小さくなってきました。

Aさん(札幌市在住 32歳 会社員 女性)

私は事務職の仕事をしています。会社の電話応対も仕事の一つなのですが、これにとても苦戦してきました。

私の場合、子供の頃から吃音があった訳ではなく、電話の言い難さというのは、たまたま社名を名乗る際につまずいてしまったことがきっかけでした。
また繰り返してしまったらどうしようと怖がっていると、度々つまづくようになり、更に周囲の目も気になって「苦手意識」がどんどん根強くなってしまいました。朝一番に失敗してしまった日には、終日それを引きずり、ひどいときには、電話応対以外の日常的な会話もぎこちなくなることもあって、私にとって大きな悩みの種でした。

ただ不思議と、この言い難さは、ふと改善したり、ある日またやってくる、を繰り返しました。この不安定さも治したいと思い、問題はきっと内面にあるのだろうと、意識改善のための本を読みましたが、なかなか克服できませんでした。

そんなとき、たまたまインターネットでさわやかカウンセリングのことを知りました。私と同じような悩みの方の体験談を読み、よし、これだ、とレッスンを受けてみると、自分が浅い呼吸になりがちであることを指摘してもらったり、言えた、言えなかったと神経質に自分を評価するのではなく、こんな感じで話すと安定するなという方向へ、自分で話し方を調節すると良い、とアドバイスをいただきました。

アドバイスを受けてから、割と安定する自分なりの感覚をいくつか見つけて、電話応対がうまくいかないのではと思うときに試してみるよう心がけると、少しずつですが安定するようになりました。

レッスンを受け始めてから半年が経ちます。これまでの根強い苦手意識や不安は残っていますが、嬉しいことに、良いときと悪いときの振れ幅とでもいうのでしょうか、それが小さくなってきました。レッスンの効果だと思います。

今後は、不安な気持ちがある状況でも、自分なりに調節をしてスムーズに話すことが出来るようになることを目標に、レッスンを続けていきたいです。

※江田よりのコメント:
Aさんは模範的と言えるとてもきれいな話し方をなさり、職場の会合の司会もこなし、吃音で悩んでいるとは誰も想像できないと思います。この半年に渡るレッスンと実生活での会話経験によって、Aさんの内面の安定度が徐々に高まりつつあるように思います。
レッスンでの発語感覚を活かしてどのように自分なりの調節感覚を育てていくか・・・。実践を通して得ていただきたいです。




 早口が改善されたように思います。

Tさん(東京都在住 33歳 会社員 男性)

ことばが詰まることを意識するようなったのは、小学校に入るか入らないか、といった頃ではなかったかと思います。おそらく保育園から小学校へと上がる環境の変化が、何らかの吃音の要因になったものと思われますが、今となっては定かではありません。

私の場合、早口でまくし立てるように喋ると不思議なものであまり引っ掛からないのですが、授業での教科書の音読や朝のホームルームでの発表等では、うまくいきませんでした。また「た行」など、どうしても苦手な発音もありまして、いつ自分に順番が回って来るのが気になり、トテツもなく憂鬱でした。

普段早口なお喋り野郎と思われているだけに、本読み等で引っ掛かり、なかなか次の言葉が出ないと、余計奇異な目で見られ、一度など授業のサボタージュと勘違いされて、教師からゲンコツをもらった事もありました。吃音を隠そう隠そうと意識していた事が余計言いにくくさせて、黙っている私を不気味に思ったのかも知れませんが・・・。

それでも、中学高校と、学生時代は何とか悩みながらも隠し通すことも出来ましたが、社会人になってからはそうもいきません。取引先のお客様と話したり、内線外線問わずの電話など、一方的に喋る訳にもいかず、また すっかり倣い性になってしまった早口も、そのままだったからです。一時期は神経症一歩手前に迄なり、しばらく会社を休んだこともありました。

レッスンを始めて半年を経ようとしていますが、今はレッスンの成果か、早口は少なからず改善されたように思います。けれど、電話で名を名乗る(姓・名とも苦手なタ行から始まる)などの苦手意識が抜けないので、この辺を今後の課題として取り組んでいきたいと思っています。

※江田よりのコメント:
Tさんは意識する単語の発語が速いので調節が利きにくくなっていたのだと思います。自然な言葉の流れ感覚を育てていくことが大切だと思います。



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