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カウンセリング&レッスン 体験談(40~49歳)(P.2) プレゼンの成功体験、他


「上司の前でのプレゼン、うまく話せました。」
Yさん(静岡県在住 48歳 会社員 男性)
「どもることを恐れず自分を信じることです。」
Sさん(和歌山県在住 40歳 会社員 男性)
「ゆったりとした気持ちを持つようにしています。」
Tさん(千葉県在住 44歳 マッサージ師 男性)
「吃音を治す魔法の薬はもうすでに私の手の中にあったのです。」
Nさん(北海道 旭川市在住 44歳 会社員 女性)


 上司の前でのプレゼン、うまく話せました。

Yさん(静岡県在住 48歳 会社員 男性)

私は静岡県に住んでいる48歳男性です。私が吃音を意識し始めたのは小学校3~4年生頃だと記憶しています。やはり学校では周りの友達にからかわれ、いやな思いをしたことは多々あります。学校を休んだことも、本読みの順番が回ってくることを察したら保健室に行くなど、学校生活は吃音との戦いでしたね。上手く話せたらどんなにいい人生なんだろう・・・生まれ変わってやり直したい・・・といつも考えていました。

そして中学3年生の時、高校2年生の時、大学生の時と、吃音を直すために東京の吃音矯正所にも通いました。決して安くないお金を払い通いましたが、それほどの効果も得られず月日だけが過ぎていきました。でも矯正所に通うことで、こんなにも吃音で苦しんでいる人がいるんだ、自分だけじゃないんだという仲間意識を得たことは唯一の収穫だったのかも知れません。

大学を卒業して次にやってきたのが就職活動でした。やはり就職活動では面接で落ち、最終的には祖父のコネで就職をしました。今でもそこで辞めずに頑張っています。辞めずにと言うか、辞める勇気がないと言った方が正解かもしれません。
そこに就職して25年余りが経過し、結婚もして、子供もでき、会社では後輩もでき、自分それなりの立場になってきました。

それで最近になってどうしても立場上話す機会も増えてきました。何とかしなければと強い思いにかられ、今でも矯正学校等はあるのか?とインターネットで調べている中で「さわやかカウンセリング」を見つけました。でもこの歳でカウンセリング(レッスン)を受けたいとは家内に言えず、最初のレッスンは自分のへそくりで受講しました(笑)。もう今では家内・子供がいても正々堂々とレッスンを受けられるようになりましたけど・・・。

カウンセリングを受け始めて1年が経ちました。私は電話が苦手です。今でも苦手意識はありますが、伸ばし、繋げる感覚で、少しずつですけれどコントロールしながら電話をかけられるようになってきています。

先日、社長以下役員10名ほどの前でプレゼンがありました。私は江田先生に頼んでプレゼンの2日前にも、自分としては入念に用意した原稿にそって予行演習をしました。原稿に”ゆっくり””あわてない””間を空ける”など赤で言葉を書き込んで少しでも落ち着けるようにと工夫をして、当日の説明に臨みました。その結果、レッスンでの話し方を100ポイントとすると、70~80ポイントぐらいの自己評価でできました。

嬉しくなってプレゼン終了後すぐに江田先生にメールをしましたよ。やっぱり自分なりの原稿は必要ですね。そして少しゆっくりすぎるぐらいのペースでちょうどいいです。また、終わってからの自己評価を少々つっかえたからといっても悪い点を付けないことも大事ですね。

レッスンを始めて1年余り。まだまだ48年間の長年の話し方の癖は直しきれません。でもこの1年間で何かを掴んだような気がします。これからの人生、公私ともに話す機会もどんどん増えてくると思います。
やはりそこから逃げず、プレゼンなどでの話す機会を上手く活用してチャレンジして、少しでもレッスンのテキストにある「心おしゃれの三カ条」のように前向きにやっていけたらと思っています。

人生、話すことに限らず前向きが一番です。緊張もする。失敗もする。どうしようもない時もありますが、やっぱり前向きでいられればその先が観えてきますね。

※江田よりのコメント:
私は都内の吃音矯正所に小学4年生のとき約1年間、、そして高校1年生のときも約1年間、計2回(約2年間)通いました。Yさんは今まで3回も通われたのですから、矯正所通いとしてはかなりの経験者と言えましょう。
過去の経緯がどうであれ、話し方を高めていく方向性はYさんも私も吃音経験者として同じだと思います。それはあくまで安定した発語感覚を意識し、実践し続けて定着させていくことです。
役職上これから話す場面がいろいろ多くなることと思います。話し方スキルを高めていかれますことを応援しています。




 どもることを恐れず自分を信じることです。

Sさん(和歌山県在住 40歳 会社員 男性)

学生時代の私は、中学時代に受けたイジメ(私のわがままの性格が原因ではあるのですが…)などにより、人と積極的にコミュニケーションを取ることを避けていました。一番多感な時期に、人と話すという経験を積み重ねなかった訳です。

私がどもることを感じ始めたのは、高校の時くらいでしょうか。自分の発したい言葉が頭の中では言えているのに、口から言葉として出てこないのです。
言葉が出てこない苦しみはありましたが、積極的に話す事自体も避けていたので、別の言葉に置き換えるなどして何とかやり過ごしていました。

新卒で就職した会社では、ほとんどお客様と話す機会のない部署へ配属されましたが、電話応対をする機会も当然ありました。当時は就職にあたり、自分のどもる話し方が仕事に影響するなど深く考えたこともありませんでした。ところが「お電話ありがとうございます」という言葉が徐々に発せられなくなってしまい、お客様が怪訝(けげん)そうに「もしもし?」と言われるまで無言状態が続くこともしばしばでした。

その後何かをきっかけに「お電話ありがとうございます」が言えるようになったのですが、代わりに今度は社名がスムーズに言えなくなるというように、電話応対に対して常に苦手意識がありました。

6年間その会社で働いた後いくつかの職場を経験したのですが、飲食店で働いていたときには「ありがとうございます」が言えなくなるなど、歳を重ねるにつれ段々と、どもることへの不安と恐怖も増していきました。

職を転々としていたのは吃音が原因という訳ではなかったのですが、「話す」という事自体のスキル不足も感じていた私は、思い切って電話オペレータという職にもついてみました。

前向きな気持ちで始めてはみたものの、一時は言えるようになっていた「お電話ありがとうございます」が再び言えなくなりました。人がいない場所や自宅などで、独り言のように言ってみると言えるのですが、いざ人前や受話器を持つと言えなくなるのです。正直「またか…」と落胆せずにはいられませんでした。この職場でも、ある言葉が再び言えるようになると他の言葉が言えなくなったり、再び同じ言葉が言えなくなるといった状態を繰り返しました。

やはり自分は話す職業には向いていないと感じながらも、今度は人前で話をする機会の多い職場へ移りました。そこでは「よろしくお願いします」や「お疲れ様でした」という挨拶を頻繁にしなければならないのですが、やはり意識すればするほど言いづらくなるといった状態に陥りました。

自分でも何とかしたいと思い、言いにくい言葉を繰り返し繰り返し練習してみましたが、効果が無いばかりか、場合によってはさらに言いづらくなることもありました。話すのが商売とも言える職場だったので、上司からも話し方の指摘も受けるようになり、どもることが本当にストレスでした。

ここまできてやっと、本気で自分の吃音をどうにかしようと思いインターネットで検索したところ、この「さわやかカウンセリング」のホームページを見つけました。思えばそれまで自分がどもりであるということを分かっていながら、「認めたくなかった」「受け入れたくなかった」のかも知れません。ホームページに載っていることは、まさに自分と重ね合わさせられることばかりでした。
また体験談を読んで、自分と同じような思いをしている人がたくさんいることを知り、自分だけではないのだと勇気づけられました。そして自分のどもることに立ち向かおうと決心し、レッスンを申し込みました。

  

江田先生には、話す技法から気の持ち方まで、いろいろなことを教えていただいていますが、そんな中で自分が今課題にしているのは、「どもる事を恐れず、自分を信じる」ということです。

これまでは、どもる自分が他人から変に見られることを恐れて、どもりがばれないようにばれないようにと思っていました。いや、今でも心の奥底では、まだまだその思いが拭い去れていないように感じます。

今、趣味でテニスをしているのですが、プレー時にミスをするんじゃないかと恐れると、体が動かずミスしてしまうことが多くあります。でも、実力を出しきってミスしたときはしょうがないと思えるものなので、自分を信じてプレーすることが大切なんですよね。吃音に関しても、まったく同じことが言えるのではと思っています。

また、これまで私は「超」がつくほどネガティブ思考で、そんな自分が好きになれませんでしたが、今は自分を好きになろう、好きになれる自分に変えていこうとも思っています。

※江田よりのコメント:
吃音が何であるかを客観的にとらえられないと、自分を認めたくないし、詰まり意識を持つ自分を受け入れられないものです。隠そうとすればする程、話すことのこだわり意識、囚われ意識が深くなります。
あくまで自分の内面の安定感を高めていこうという姿勢が自分を解放していくと思います。




 ゆったりとした気持ちを持つようにしています。

Tさん(千葉県在住 44歳 マッサージ師 男性)

「さわやかカウンセリング」を受講して約8ヶ月になる44歳男性です。このレッスンを受けて変わったことは吃音に対する意識です。以前はことばがつっかえない方法論ばかりを模索していました。しかし、悪い話し方の習慣=悪い癖の積み重ねということがわかってきたので、今は癖直しをする意識でいます。普段の日常生活の話し方を雑にすることなく、安定した呼吸と発語感覚を意識づけるようにしています。

私のことばの詰まりは、定かではありませんが、小学校入学時に始まっていました。両親に「もっとゆっくり言いなさい」、「息継ぎをちゃんとしなさい」など、話す度に指摘を受けていたことを記憶しています。私の中ではどもって話している意識はありませんでしたが、ことあるごとに注意されると「俺の話し方はおかしいんだ」と思うようになりました。そうすると次第に話す前にプレッシャーがかかり、ことばが出にくくなった記憶があります。

両親は私の吃音を直そうとして近所の肉屋や八百屋にお使いに行かせました。当然、店頭で買うものを言わなければなりません。私は予期不安でとても無理だと思い何も買わずに帰ります。すると再度行かせられました。時には頭を叩かれ泣きながらお使いに行ったこともありました。某テレビ局の「○○○○のお使い」というほのぼのした番組がありますが、私の場合はそれとは程遠いものでした。

吃音者が人生で一番困るのは就職ではないでしょうか。大学4年になると就職活動をしなければなりません。ここで困るのが電話です。どうしても自分の名前が言えません。受話器を握りしめて足をバタバタさせたり、瞼(まぶた)をパチパチさせても効果がありません。時には電話を切られてしまったこともありました。そうしたことの繰り返しで身も心も疲れ果ててしまいました。

このままでは、仮に就職してもとても吃音で社会人としてやっていけないと思い、その年の就職は諦めました。
大学卒業間近の1月に、なけなしの貯金をはたいて都内の某吃音矯正所に行きました。「ここに通えば治る」「電話がつっかえない、就職できる」と、今まで悩んでいた問題をすべて解決できると思っていました。

しかし、そこは腹式呼吸の練習とテキストを朗読するだけで何の効果もありませんでした。そこで別の矯正所にも通いました。そこではことばの最初に「え~」をつけるという方法でした。応急処置的ではありましたが、繰り返すうちにつっかえるのを誤魔化せる(悪い表現ですが)ようになりました。

そこで、郵便局の仕分けや配達の仕事であれば、そんなに人と接することもなく、電話対応も少ないのではないかと思い就職しました。案の定、吃音が出る頻度は減りましたが、それは単に話す機会が減っただけで、根本的な解決には至りませんでした。

   

その後、マッサージ師養成の専門学校に通い資格を取得しました。ここでもまた就職活動をしなければなりません。話すことの予期不安が起こり、困っていました。

そんな折、「さわやかカウンセリング」のホームページを見ました。動画と体験談を何回も見て、料金もそう高くないし、レッスン時間も丁度いいし、何より一番苦手な電話でレッスンが受けられるのが魅力でしたので、受講を申し込みました。

毎回、レッスンで学んだことは、ノートに書き留めて繰り返し読んでいます。日頃の会話で念頭にあるのは、「腹式呼吸と正しい姿勢、そしてゆったり感」です。

私は現在、訪問マッサージの仕事をしています。接する患者さんは高齢者の方々です。お話をする際はゆっくり言わないと伝わりません。良い巡り合わせか、仕事の中で「呼吸と姿勢とゆったり感」を意識して実践していることが何よりもプラスになっています。

話すということは自分の中の感覚的な要素が大きいと思います。どうしたらどもらないかという方法論を探るより、自分なりの安定感を育て、獲得していくことの方が優(まさ)っているのではないでしょうか。
最近、おぼろげではありますが、レッスンで繰り返しアドバイスいただいている『良い言い方、安定感の意識化。ゆるやか感覚の実践』の意味がわかってきたような気がします。一朝一夕にはいきませんが、小さい習慣をコツコツを積み重ねていきたいと思っております。

※江田よりのコメント:
今、Tさんは「どうしたらどもらないかという方法論を探るより、自分なりの安定感を育て、獲得していくことの方が優(まさ)っている」という認識に立っておられます。これこそ、大きな意識改革だと思います。これからもこの方向に立ち続け、実践を重ねてください。




 吃音を治す魔法の薬はもうすでに私の手の中にあったのです。

Nさん(北海道 旭川市在住 44歳 会社員 女性)

私がことばの詰まりを意識し始めたのは15年前、当時事務員として長い名前の会社に入社して、電話でその会社名を言うときに上手く口が回らないということからでした。
ですが、日常会話では吃音の意識は全くなく、その後も転職するたびに電話応対のときに口が回りにくいという程度でした。

左利きの人が強制的に右利きに直されるなど、本来もっている個性を抑圧されると言葉が詰まったりしやすいということを聞いたことがありますが、私の場合は夫に言葉の暴力や所作や言動についてこと細かく注意されたことで、どもる感覚がひどくなっていったことが同時に進行していったように思います。

9年前に離婚したのですが、その頃から電話以外でも言葉を発しようとすると喉が締まって顎も硬くなり、どもるというよりも発音すら出来ない状態になりました。
車のガソリンを入れるときも「レギュラー満タン」と言えないので入れられず、ケーキを買いたくてもケーキの名前が言えないので買えない、職場でも同僚やお客様に「どこかおかしいんじゃないか?」と言われて、ついには仕事も辞め一日中部屋の真ん中でただじっと正座して、“いっそ植物になってしまいたい”と、着替えも外出もせずに引きこもっていました。
吃音の人は真面目な人が多いと言われていますが、多分私も例外ではないと思います。

このままではいけないと藁(わら)にもすがる思いで心療内科を受診しました、診断の結果は社会的不安障害といわれ、抗不安剤を処方されて2年間飲み続けました。

それからはありとあらゆることを試しました、気の持ちようだとイメージしたり、早口言葉の練習をしたり、どもりが治るとうたっている3万円の教材をネットで購入したり、寝ても覚めても吃音を治したい、治るなら地獄に堕ちてもいいとさえ思う毎日でした。
しかし修行のような日々を送っても全く改善しないまま、改善するどころか悪化し続ける一方でした。そんな中、今年の4月に転職することになりました。電話応対と接客の仕事が主でした。働き始めてすぐに上司から「もっとハッキリと電話に出なさい」と注意されました。

やっぱり私には電話も接客も無理なんだ・・・仕事をやめて工場のような誰とも話さなくていいところで働いたほうが良いのではないだろうか・・・、そう思いながらネットで“電話 吃音”と入力したところ偶然「さわやかカウンセリング」のホームページにたどり着きました。もしかしたら・・・でもだめかも・・・半信半疑でトライアルコースに申込みました。

初回のレッスンでは江田先生御自身が吃音を乗り越えてこられたということで安心して話すことができました。ですが日常生活ではすぐには効果はありませんでした。
先生に吃音意識は持っていていいので安定した発語感覚を身につけて下さいとアドバイスされ、安定した三要素の、ゆるやか、のばす、つなげる”と手のひらに書いて気を付けて話すように心掛けましたが、魔法のように朝起きたらすっかり治っているはずもなく、ことばが詰まる感覚は3回目4回目のレッスンを受けても続きました。
でも「レッスンを受けてもだめだろう」とは不思議と思いませんでした、信じてレッスンを続けてみようと思っていたのです。

5回目のレッスンぐらいの時期から自分の中で変化が起き始めました。

私は長い間、自分の中に言えない言葉をどんどん増やして悪いイメージをする天才でした。ならば自分は良い発語イメージを覚える天才でもあるのではないか?!と思うようになりました。今まで努力しても効果がなかったのは、ちょうどゴルフで悪いスイングのまま練習していてもスイングは悪くなるばかりになるのと同じ事をしていたからなのです。

レッスンでのアドバイスを心に覚え、勇気を出して日常生活の中で実践していくと百発百中ではないのですが、「あっ言えた、あっまた言えた!」ということが何回も起き始めました。

吃音を治す魔法の薬はもうすでに私の手の中にあったのです!あまりに強く握りしめていたから薬があることさえ判らなくなっていたのです。

これからもことばが詰まることがあると思います。話しづらくなることもあるでしょう。でもカウンセリングを続けながら自分自身の気持ちの良い話し方をどんどん広げていきたいと思います。

※江田よりのコメント:
「吃音を治す魔法の薬はもうすでに私の手の中にあったのです。」とはけだし至言です。正しい方向性を身につけていけば、安定した発語感覚は必ず広がっていくものです。




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