ホーム  体験談 > 電話応対での緊張

電話の緊張 レッスン 体験(30~39歳)(P.8) 緊張する場面での調節、他


 職場ではメールによる業務連絡が主となっていますが、電話での連絡は欠かせません。職場で緊張する場面のひとつが電話応対です。携帯電話では緊張しないで話せるのに、なぜ職場での電話応対では緊張するのか。その理由をいくつか挙げてみます。

■電話応対で緊張する理由(1)社名、名前を正確に言わなければならない。
電話応対は社員として会社を代表して話す立場ですので、応対の形があります。言い換えがきかないので緊張します。

■電話応対で緊張する理由(2)電話の相手が見えない、話すまでわからない。
携帯電話ですと誰からの着信かが判り、「はい」で済みます。会社の電話は相手がどのような立場の人かが話すまで判りません。緊張度が異なります。

■電話応対で緊張する理由(3)自分の声が周囲に聞かれている。
電話の相手だけに話すのではなく、周囲の人に聞かれている、話し方を指摘されることもあるので緊張します。

■電話応対で緊張する理由(4)話すタイミングが要求される。
電話応対は適切なタイミングが不可欠です。吃音はタイミングがずれてしまいますので緊張が助長されます。

日常会話で安定した発語感覚の素地を養っていくことが、電話応対でコントロールして話せる自信、緊張感の緩和に繋がっていきます。


「精神的にも緊張感が薄れ、実際の電話も楽になっています。」
Oさん(栃木県在住 34歳 医療事務 女性
「緊張する場面でも調節できるという感触を感じています。」
Yさん(広島県在住 33歳 会社員・主婦)
「レッスンを受けた事によって、緊張感はだいぶ解消されました。」
Iさん(札幌市在住 34歳 公務員 男性)
「レッスンで学んだことを実践していきたいと思います。」
Kさん(大分県在住 30歳 主婦)



(電話の緊張 吃音レッスン体験①)

 精神的にも緊張感が薄れ、実際の電話も楽になっています。

Oさん(栃木県在住 34歳 医療事務 女性)

私はレッスンを始めて7ヶ月になります。転職先の会社での電話応対が私の吃音のきっかけだと自分では思っています。転職前(事務)の会社では社名も言いやすく、電話応対も他に出てくれる人が何人かいたのであまり電話に対してこだわりはありませんでした。

ところが転職して事務室での電話が以前に比べ多くなり、つっかえてしまい、うまく電話にでられないことがありました。自分ではまだ新しい職場に慣れていないからだと思っていましたが、電話が鳴るたびにドキッとしてしまい、電話に出てうまく言えなかったらどうしようという緊張感が強まり、とうとう電話恐怖症になってしまいました。特に「あ」行と「た」行で始まる言葉がでませんでした。

何とか克服しようと思い、会社で誰もいない時に自分の携帯からかけて電話の練習をしたり、自宅でも夫に練習相手になってもらったり、一日中、頭の中は電話の事で一杯でした。あまり考え過ぎるのも良くないことは分かっていても頭から離れませんでした。

会社の人に相談したところ、無理に電話にでなくていいよと言ってくれたのですが、ありがたいのと同時に自分が情けなくなってしまいました。精神的に疲れてしまい退職も考えました。

何か方法はないかと思い、インターネットで江田先生のホームページを見て助けてほしいと思いレッスンを始めました。私と同じ悩みをもっている方々が沢山いることにもびっくりしました。

江田先生はご自分も以前、吃音で大変苦労されたお話をしてくれました。先生の声はとても聞きやすかったので吃音の経験をされてるなんてびっくりしました。

私は日常会話でとても早口になってことばが絡まることがあります。レッスンでの指導で日常会話で早口にならないようにと気を付けています。

まだ電話で言葉が出づらい時や不安感がありますが、レッスンを始める前よりも精神的にも緊張が軽くなり実際の電話も良くなってきていることを実感しています。
これからも焦らず自分の吃音とうまく付き合いながら頑張っていきたいと思います。

※江田よりのコメント:
このレッスンを受ける前、Oさんはご自分で電話をかける練習をしたり、ご主人を相手に話す練習をするなどの努力をしたのですが、「練習」と職場での「本番」との意識のギャップを埋めることは難しかったようです。それもそのはず、吃音の本質は電話応対そのものではなく、日常会話でどのような話し方をしているかの“質”にあるのですから。
今はレッスンと実際の経験をとおして、自分にとっての安定した発語感覚を育てつつあるところです。




(電話の緊張 吃音レッスン体験②)

 緊張する場面でも調節できるという感触を感じています。

Yさん(広島県在住 33歳 会社員・主婦)

会社で電話をとるとき、一言目の会社名がどもってしまい、電話が鳴ると緊張し、恐怖そのものでした。「お客様はどう思ったかな・・・」「出先からかけてきた人はどう思ったかな・・・」と、暗い気持ちになっていました。恥ずかしくて誰にも相談できませんでした。

どもる意識がとてもひどくなったとき、もうダメだ、病気だったら直したい!と思い、江田さんのHPを知りました。

初めてレッスンを受けたとき、自分がいかに早口になっていたかに気づきました。「ゆっくり、相手にわかりやすく話すこと・・・」ただそれだけのことが今までの自分に全くなかったことに気づき、目から鱗(うろこ)でした。

レッスンを受け始めて2年になります。以前のようにひどくどもることはありませんが、社内で電話をとるときの緊張感からは、なかなか解放されません。頭ではゆっくりとしたペースで話すぞと思っていても、早口になってしまったり、一瞬つかえてしまうことがあります。

でも今は、ゆっくりペースの喋り方を身につけていけば、緊張する場面でも調節できるという感触を感じています。

※江田よりのコメント:
Yさんの職場の事務所では比較的多くのスタッフが静かにデスクワークをしていて、電話応対の声が周りに響くという、吃音意識を持っている人には話しにくい環境のようです。当然、電話をとるときは緊張します。
電話で緊張する自分をそのまま受け止めつつ、日常会話でさらに安定度の高い発語感覚を育んでいきながら、電話経験を重ねていただきたいです。




(電話の緊張 吃音レッスン体験③)

 このレッスンを受けた事によって、緊張感はだいぶ解消されました。

Iさん(札幌市在住 34歳 公務員 男性)

私が吃音を意識したのは中学生の時でした。当時、生徒会の役員を務めていたので、全校生徒の前で発表する機会があったのですが、その時、突然、出だしの部分がしゃべれなくなってしまったのです。以来、言葉の出だし、特に「あ行」の出だしが話せないことに意識し始め、ずっと悩んでいました。

「ありがとうございました。」「お疲れ様でした。」「いらっしゃいませ。」・・・それらの言葉を最初に言わなければならない場合、非常に辛い思いをしました。そして何より、自分の名前が「い」で始まるため、自己紹介や名刺交換するのが、とてもイヤでした。自分の名前がスンナリ言えないからです。自分の名前の前に何か言葉を付けたら言える時もありましたが、その方法でもダメで、出だしの「い」が言えず、自己紹介の時に変な空白の時間ができたことも多々ありました。そのため、結婚した時、自分の名字を変えて、妻の姓を名乗ろうかなと思ったことさえ、あったほどです。

私も、これから仕事上で、会議やミーティングなどの司会進行なり、人前で話をさせられる機会が必然と多くなる年齢になってきました。当然、人前で話す時は、まず自己紹介をしなければなりません。そういう緊張する機会が今後増えていくと考えるだけで、とても憂鬱な気分になりました。電話で話すこともそうです。

そんな中、今年の2月に、私の上司から、組織の一番のトップと直接お話しなければならない(しかも、他の幹部が全員揃っている中で自分の意見を発表しなければならない)懇談会の参加を命じられました。その話が決まってから、一層不安になり、インターネットで、どもりを解消(治療)する病院を探していたら、さわやかカウンセリングのホームページを見つけました。そして、レッスンを受けました。

江田先生に懇談会のことを話したら、懇談会で発表する原稿を書いて、それにそって話す練習をしてくれました。おかげで、懇談会はさすがに緊張したものの、なんとか、うまく発表することができ、乗り切れることができました。

レッスンを受け始めて、まだ半年位ですが、このレッスンを受けたことによって、私の悩み・不安はだいぶ解消されました。まだ、あ行がうまく言えなかったり、自分の名前を言う時、突っかかることはあります。でも、「どもり・吃音を無理に直す必要はないんだ」「突っかかったら突っかかったで、いいじゃないか」と、レッスンを通じて思えるようになったおかげで、緊張感が和らぎ、精神的にはだいぶ楽になりました。

また、レッスンでは電話応対やスピーチの練習をするのですが、前に比べ、電話応対も幾分ことば使いが丁寧になったような気がします。そういったスキルアップの要素も兼ね備えていると思います。

これからも、日頃から江田先生が言われる「自分なりの安定した発語感覚」が身につくよう、レッスンと日頃の会話を通じて、頑張りたいと思っています。

※江田よりのコメント:
Iさんは仕事柄、人前で話すことが多いこともあり、とても話慣れしているように思います。自分の中の吃音意識を客観的に受け止めながら、安定した発語感覚を育ててください。




(電話の緊張 吃音レッスン体験④)

 レッスンで学んだことを実践していきたいと思います。

Kさん(大分県在住 30歳 主婦)

私が言葉のひっかかりを気にし始めたのは小学校の頃です。それでもあまり気にすることなく今まで過ごして来ました。

それが1年程前、職場でのちょっとしたストレスにより、言葉のひっかかりを強く意識するようになりました。私は普段の会話などは何でもないのですが、自己紹介や電話で自分の名前を言う時に緊張して言葉が出てこないのです。それでも仕事をしていた時は電話にも慣れていた為、電話応対は怖くはありませんでした。

しかしその後、仕事を辞め家に居る時間が多くなると電話の機会も減り、だんだんと電話恐怖症になっていきました。

このままではいけないと思いインターネットでいろいろ調べ、「さわやかカウンセリング」のホームページの皆さんの体験談を読み、同じ思いをしている人達がこんなに沢山いることを知り、レッスンを申し込みました。

レッスンの初日の電話はとても緊張して自分の名前がなかなか言えませんでした。それでも先生は私を焦らせたりする事なくゆっくりと話を聞いてくれました。

何回かレッスンを受け、先生と話したり、アドバイスを受ける事により、少しずつですけれど電話が怖くなくなりました。特に自分の名前を言う時など、最初の言葉を少し伸ばす感じで言うと上手く言えるとアドバイスをもらい実行してみると、とても言いやすかったです。

私はとても神経質で色々と考え込んでしまう性格なので、レッスンで先生に話を聞いてもらったり、たわいもない会話をしたりする事がレッスン以上に(もちろん発語レッスンは必要ですが・・・)効果があったような気がします。

今では電話をかける事が以前より苦痛ではなくなりました。落ち着いてゆっくり話せば上手く言えるようになりました。これからは自己紹介や電話の機会を見つけ、レッスンで学んだ事を実践していきたいと思います。まだまだ緊張し不安もありますが経験しないと慣れないと思うので頑張りたいと思います。

※ひとこと:
話すことの自信は、緊張しなくなることではなく、緊張する中でも話せるという体験の積み重ねから生まれるものです。経験に失敗ということはないと思います。これからも様々なお話し場面に積極的に接してください。



※下のフッターから更に多くの体験談を年齢別にお読みいただけます。